舁き山と舁き手
舁き山
かきやま

重さ1トンもの山が20数名の男たちに担がれて夜明けの街を疾走する。異彩を放つ祭りの主役・舁き山は、6本の舁き棒を中心とし、クギを1本も使わず麻縄で締めて頑丈に組み立てられる。

棒鼻(ぼうばな)

6本の舁き棒の両端部をこう呼ぶ。山笠を操縦する役目の“鼻取り”が、先端についた鼻縄を押したり引いたりして方向を定める。

左巻き(ひだりまき)

山笠の全行程を終了し、山崩しの際、奪い合いとなるほどの人気がある縄飾り。据え山のときは茶と白、舁き山のときは青と白に変わる。

鼻縄(はななわ)

荒縄を束ねたもので、これを押したり引いたりして山笠の舵取りを行う。

火打ち(ひうち)

4本の台脚を補強する丸太組みで、前方から見た形が、火打ち石と打ち合わせて発火させる三角形の鋼鉄に似ていることから、こう呼ばれる。

への字(へのじ)

4本の台脚を補強する横木で、「へ」の字に湾曲している。中央部が高いので、舁き手が台直前で転倒しても押しつぶすことがない。

赭熊(しゃぐま)

赭(赤)熊とは本来赤く染めた白熊の毛で払子(ほっす・禅僧用具)などに用いるが、山笠では普通白色を使い山小屋に山を飾り据えた時、見送り杉壁添いの内側中央部に差し立てて飾る。非常に高価なものである。

台弓(だいきゅう)

赭熊の両側に差して飾るもので、魔除けの意味がある。

台幕(だいまく)

櫛田神社と祇園宮のご神紋を染め抜いた幕。据え山のときは赤、舁き山のときは青に張り替える。

かきやまイラスト
男衆
おとこしゅう

山笠のさまざまな様式は、練り上げられた“男の美学”かもしれない。水法被に下は締め込み一本といういでたちにも美学がある。その魅力にのぼせてしまった博多んもんを“男衆”と呼ぶ。

水法被(みずはっぴ)

山笠を舁くときのユニフォーム。各流や各町でデザインが異なり、前裾を結ぶ標準タイプと久留米絣などの織物による身丈が短く胸前を小紐で結ぶタイプがある。

お守り様(おまもりさま)

櫛田神社にお初穂料を包んで拝受するお守りで、タスキの中に縫い込んである。

ハチ巻き・てのごい

鉢巻き用だが、首にかけたり衣装のあしらいにもなる。7種あり、代表的なものは100年以上の歴史をもつ赤い手拭い。これを身に着けるのは各町から推薦され責任者として公認された者のみ。この他は白、青、茶、緑など色と柄の組み合わせで各役員の役割が区別される。

腹巻き(はらまき)

腹部を保護するためのサラシ。

舁き縄(かきなわ)

長さ約120センチの縄で、山笠を舁くときの必需品。これを棒に掛けて走ることで、棒と体を密着安定させ、滑り止めと肩の固定の役割を果たす。使わないときは締め込みの後ろに差しておく。

締め込み(しめこみ)

相撲のマワシと同様のもので、長さは約3メートル。色は白と紺の2種類が基本。

脚絆(きゃはん)

すねを保護するためのもの。虫除け効果もあり、締め込み姿の足下を引き締め、軽快さを演出する。

地下足袋(じかたび)

明治末ころまではわらじだったが、地下足袋の普及とともに、これに変わった。指股があるので踏ん張りが利く。

男衆イラスト
山笠コラム
博多の暮らしと文化を凝縮した「博多町家」ふるさと館

開放的で型にはまらない博多人気質は、博多祇園山笠をはじめ多くの祭りや伝統とともに受け継がれてきた。「博多町家」ふるさと館では戦前の「博多町家」を移築・復元し、明治・大正時代を中心に博多の暮らしや文化、その心意気を紹介する。

追い山笠のスタートはなぜ午前4時59分なの?

博多祇園山笠のクライマックスである7月15日の追い山笠で、一番山のスタートは午前4時59分と、なぜか中途半端。これは一番山が櫛田神社境内に「清道入り」した後に歌う1分間の「博多祝い唄」を考慮に入れた時間設定なのだ。

博多町家の写真