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天満宮「菊花展」と「残菊の宴」

完戸 鷯さん 2008.10.27
本殿前の大懸崖
楼門前の飾り菊
大輪12鉢植花壇
だるま作り(左1列)福助作り(右3列)
参道に並ぶ菊の鉢
 『菊花展』

 太宰府天満宮では、11月1日(土)から24日(月)まで、第55回「菊花展」が開かれます。福岡、佐賀、長崎、熊本などの愛好家“秋芳会”の方々が、一年間、丹精込めて育てた大輪、小輪、いろんな菊の力作1,500鉢余りが、本殿を始め、回廊、天神広場に展示されるのです。
 本殿前には、黄、赤、白の大懸崖が左前と右前に対に並んで目を引きます。
 楼門前には左右に大きなモニュメントが、回廊には三鉢一組の“盆栽菊”が飾られます。
 また、楼門前の天神広場は日除けのヨシズ掛けで埋まり、そこにはいろんな仕立て方の大輪の菊が並んで、目を楽しませてくれます。例えば
 大輪12鉢組花壇……1鉢3本仕立て、1組12鉢12品種3色、高さ前1m、後1.5mの配列
 だるま作り……1鉢3本仕立て、1組5鉢5品種3色、高さ65cm以下
 福助作り……1鉢1本仕立て、1組5鉢5品種3色、高さ50cm以下
 さらに、参道には色とりどりの菊の鉢が両側に並びます。

 またこの期間中、9日(日)には「菊まつり俳句大会」が、16日(日)には「菊まつり川柳大会」が、いずれも余香殿で開かれます。

『残菊の宴』

 11月16日(日)に、道真公のお心を偲んで「残菊の宴」が催されます。
 菅原道真公は梅とともに菊をも大層愛されました。大宰府の配所でもご自分で菊を育て、また菊を詠う詩や和歌を数多く残されました。とくに残菊がお好きで、晩秋の夕暮れに浮かぶ白菊の残花に思いをよせた「秋晩題白菊(秋のゆうべ白菊に題す)」は有名です。

 涼秋月盡早霜初    涼秋の月尽きて 早や霜初む
 白菊残花雪不如    白菊の残花 雪も如かず
 老眼愁看何妄想    老眼愁へ看る 何の妄想ぞ
 王弘酒使便留居    王弘が酒の使ならば便(すな)はち留めて居らしめん

 この「残菊の宴」は、大宰大弐小野好古(おののよしふる)が、康保元年(964年)に始めました。三月の「曲水の宴」に引きつづいて6年後のことです。
 いまは、九州在住の書道家が集まり、平安時代の装束で、まず曲水の庭で溝を流れてくる盃で菊酒を頂き、その後、庭に続く文書館でこの装束のまま席上揮毫して奉納します。春のきらびやかな「曲水の宴」とはちがった、しみじみと落ちついた秋の雰囲気がただよいます。

 「菊花展」と「残菊の宴」は、菊を愛し、しかもここ太宰府で残菊のごとくひそやかに、清らかに晩年を過ごされた菅原道真公を思うに相応しい、太宰府の秋のイベントです。毎年 11月始めから、天満宮の境内にはさわやかな菊の薫りが漂います。
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